第3者恋
嵐と過去

起こって欲しくない嵐

お昼真っ盛りの時間帯に先輩達が来てくれた


「やっほー。遊びに来たよ、祈音」

「わっ、優先輩!」

「春野ちゃん呼べる?」

「あ、はい」


と言って私は呼ばれた。昨日の帰りに先輩が言ってたからね。


佐々木先輩が来たことで皆の視線が一気に集まった。嬉しいけど、怖い…


「春野さんは料理担当なんだね」

「はい。料理得意なので…」


たわいもない会話

だけども、少し文化祭で浮かれている

それでも今日くらいは

と思ったからハメを外した


“波乱は突然やって来るようだ”


「……華奈?」

「型月(かたつき)?!」「型月…」

「修斗(しゅうと)、くん…?」


なんで。なんで私の高校知ってるの。何も話してないのに……


「会いたかったよ華奈。ずーっと会いたかった」にゃ

「私、は……会いたく…なかった」

「こんなに俺は華奈を愛しているって言うのに酷い言い草だね」


これ以上私に近寄らないで!

これ以上…これ以上…これ以上

思い出させないで……


「浮気したのは華奈の悲しい顔を見るためなのに…俺はどんな華奈も好きだよ」

「まだそんな事言ってんの?!」


早くここから逃げたくって、走り出したいのに…足は全く動かなくって。怖くて泣き出しそう


悲しい顔を見るため?

なにそれ、可笑しいでしょ。好きだからってそんな事しなくてもいいのに……


「華奈の事は俺が1番好きだよ」

「あのさ、好きな子泣かせてるのに自分の事しか考えられない?それって彼氏として最悪なんじゃないの?」


…水永先輩……
なんでそんな事が言えるんですか?


“付き合った事ありますか”“あるよ”

夏祭りの時に言っていた。先輩は元カノがいた。…だから少しだけ大人なんだ


でも、

胸がズキズキするのはなんで?
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