第3者恋
〖華奈side〗


「あれ〜?蒼さんじゃーん。何してんスかー?」


「!…、前田こそ何してんの?」

「たまたまッスよ。てーか、彼女さんスか。可愛っすね〜……、蒼さんに似合わないッスね。こんな純情な女の子」

「黙れ…。」


今までで1番…、いや私に怒った時と同じくらい怖い。


ガチギレしてる……。

こんな水永先輩は始めて…、嘘だ、今さっき見たじゃん


「蒼さん怒るとシャレにならないんッスよね〜。なので黙っときます…。」

「シャレにならないって思ってんなら何も言わずに帰れ」

「でーも…、彼女さん、こんな元ヤンキーの蒼さん何かと付き合ったらダメッスよ。この人めーっちゃ怖いし何かされるかも知れない…「黙れって言ってんだろ!」


どどどどどどうしよう…。

水永先輩が不良だったって事?

それにめーっちゃ怖いって何?


と言うか、さっき水永先輩が言ってた『俺が本当はヤンキーだったとしても?』って本当の事だったの?


……。

水永先輩は私の為に色々としてくれた。それに“付き合ったらダメ”なんて決めつけないで欲しい!


私は…、誰よりも知ってるから。


「水永先輩がどれだけ悪い人だったのかは知りませんけど…、

過去はどうあれ今は今なんです!」


「春野さん…?!」

「私は水永先輩の今を知っています。過去しから知らないあなたにどうこう言われる筋合いはありません!」

「ちぇ〜。これだから純情な女は嫌いなんだよっ!」


そう言うなり彼…、前田さんは帰ってしまった。
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