狂おしいほど愛おしい
「・・・は?え・・・ご、めん。ホント、意味分かんない・・・」



愛海は突然のことで混乱している。


―あいつ絶対愛海のこと好きよ―


響子の言葉が頭を過ぎる。



「だから・・・俺はお前が好き・・・なんだよ」




風が、吹く


頬に当たり、ひやっとするものを感じた。



秒単位だったが、ふたりにとってはとても長い時間に思えた。



その止まった時計を再び動かしたのが愛海の一言だった。




「私・・・今、付き合ってる人がいるの。」



愛海はなんだか雄大の顔をまともに見ることが出来なかった。



「・・・・・・・・・誰だよ。そいつ」



雄大は愛海に彼氏が居ることに驚きが隠せないようだ。




「・・・・・・言えない」




響子に言おうとしたときも悠大に止められたから。


だから言えなかった。



「・・・んだよ、それ。実は俺に諦めさせる為の口実だったりして。」


雄大は笑ってそういった。





泣きそうな、顔をして。




「そんなわけないでしょ!・・・兎に角、雄大とは付き合えない。」



「でも俺、ぜってぇ諦めねぇから。」








「じゃあお前、彼氏が誰か言ったら諦めるんだな?」


その声の主は悠大。愛海の彼氏本人だった。




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