狂おしいほど愛おしい
教室に戻ると、出て行くときのようにざわついた。



「愛海!ふたりで出て行くから吃驚しちゃったんだからー!!」



愛海の親友の野木響子が早々と話しかけてきた。



「う・・・うん。ごめんね!」



「真面目ちゃんが急にさぼるから・・・なにかったの?」



「あ・・・あのね!」
「何もないよ」


愛海が悠大と付き合い始めたことを言おうとしたら、悠大に止められてしまった。




『まだ皆には黙ってて・・・』



ぼそぼそと言われて、その意味があまりよく理解できなかった。




『な、なんで皆には秘密なの・・・?』



『さっき彼女居るって言ったばかりだろ・・・?なんか俺、タラシみたいじゃん』



『あーなるほどー・・・』




「愛海ー!トイレ付き合ってー!」


響子に言われ、トイレに行った。

< 8 / 13 >

この作品をシェア

pagetop