私の最後の愛

side希

部屋に戻ると先生はいなかった。

「どうでしたか。」
紅さんに龍の容態を聞く。

「山は超えた様なので病室を移動する様です。」
「そうですか。」

龍に歩み寄ると頭を撫でる。
病院服から覗く包帯はとても痛々しくて。

「早く目覚めて......」

「病室の移動は午後からになります。」
紅さんがそう言って扉を閉めた。

龍の手を握ると昨日よりは温もりがあった。
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