ハミングバード
 学校帰りの小学生達、何事もな
い日常の風景。

 どこかで光吉を監視していると
いう気配は全然なかった。
 光吉は黙々と歩き、家に戻っ
た。
 部屋に入ると買い物袋を置き、
汗を拭いた。
 何かあれば射殺される状況に、
光吉でも緊張していたのだ。
 そんな何事もない日が、一週間
続いた。
 生活は専業主夫。とはいっても
料理はコンビニで買って来るだけ
だし、洗濯はひとり分なので、た
まってからにした。
 掃除を簡単にすれば後はやるこ
とがない。
 テレビもあったが、たいした番
組はない。
 刑務所にいた時にはどうやって
脱獄するか考えていたが、今はそ
れも必要ない。
 強盗をしていたのも生活するた
めの金が欲しかっただけで、大金
をつかもうという野望はなかっ
た。
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