HEAVEN ROAD
気のきく女だなとか自分を誉めながら、階段を降り生活指導室へと向かう。



「カナさん」



廊下を左に曲がろうとしたその時、玄関の方からあたしの名前を呼ぶ声がした。



予想もしていなかった出来事にあたしは一瞬ビクッと体を震わせる。



キョロキョロと声のしたほうを確認すると、静香が頭を下げていた。



「静香、さん?」



「今ちょっといいですか?」



「あっ、はい」



どうしても演技とは思えない、柔らかな動作にあたしまでもが見とれてしまう。



あたし達は下駄箱の前の段差に腰を下ろした。



「私、豊に振られたんです」



「聞きました」



「そうですか」


ハァ~と大きなため息を吐き、今にも泣きそうな顔をする。
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