ずるいです……部長。
「……っ、」
「迷惑では、ないんだな?」
「も、もちろんです!」
「知っての通り俺は……仕事ばかりしている。いつでもお前の誘いに乗れると約束できない」
「……はい」
「俺は、なかなか……お前にかまってやれないかもしれない。それでも、たまにこうして特別な時間が過ごせたらなと思うよ」
「部……長……」
「もちろんこれは、上司としてでなく……男として言っているが。それでもいいか?」
「はい!」
「なら、約束しよう。……必ず大切に、すると」
――高崎部長は、約束を、決して破らない
それもまた、鬼部長こと高崎部長に纏わる噂。
今、この人の目は、嘘などついていない。
見えた……
わたしの、幸せな未来が、すぐそに――。
「部長……いえ、高崎さん」
「……なんだ」
「やっぱり今日、一緒に泊まりましょう!」
「……っ、」
鬼部長が、初めて私に焦りを見せた。
左手で顔を覆っている部長。確実に、照れている。
こんな部長の顔を見ることができるのは、私だけであって欲しいと……
そんなことを、願った夜。
「知りたいです。高崎さんのこと、これから。たくさん」