カモフラージュ

千尋は口を尖らせた。


「いいえ!本当にいいです!

            自分で買いますから!」


「すいません、社長さん」


美月が誤り、ペコリと頭を下げた。



会計を済ませ


和馬の顔も見ずにお礼を言い、店を出た。


でも、ムキになってしまった事を


誤れなかった事が気になって、少し凹んだ。




美月と千尋はとても気が合う。


でも、最大の違いは、甘え上手と甘え下手。


美月は、お客さんと同伴した時などに


時々おねだりして、物を買って貰っていた。


《男だからね、身体目的の人もいるよ》


と言っても、危なくない人を選んでるから


大丈夫!と、余裕で言う。



それが悪いとは言わないけど


千尋にはマネ出来ない。


どうしても罪悪感みたいな感じと


後で《買ってやった!》と言われたくないから


出来ない。




< 79 / 325 >

この作品をシェア

pagetop