L'eau, je suis important...


意外すぎる人物に目を見開いた。


「ねぇ。悠太。」


どんどんこちらに近づいてくる人物の名前を呼んだ。


「…玲……?」


なぜ玲がここへ…?

ここは誰も知らないはず…。


だってここは…。


「なんでここにいるんだよ。玲。」


奴らが道を開け、俺の正面に来た玲に聞いた。


「僕も疑問だよ。なんで悠太はここにいるの?ここ蝶月のたまり場に…。」


ーーー蝶月のたまり場なんだから。


「先に聞いたのは俺だ。玲お前から答えろよ。」


「ここに入っていく悠太を見つけたから。
こんなホテルみたいな場所になんの用事だろうって思ってのぞいたら、毒牙潰しをしていた奴らがいるんだもん。びっくりだよ」


口元は笑ってるのに、目が笑っていない。

こんな玲を見たのは入学式以来だ。


「びっくりしたの?知れてよかったじゃ〜ぁん」


今まで黙っていた望が口を出した。


「望。いいよ。ありがとな」


望は無言でコクリと頷いた。


「じゃあ今度は俺の番だな。
俺は蝶月のトップやってる。まぁトップは俺だけじゃないけどな。だからここにいる。これでいいか?」


俺の言葉に特に反応も見せず、無言だった玲が急に俺の名前を呼んだ。


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