借金取りと私の関係【完】
声だけで誰が喋ってるのか分かってしまうほどには、私は彼らの顔を見過ぎていた。



___バンバンッ



「なぁ中にいんだろ!?分かってんだよこっちはよぉ!!」



扉を壊すかのように叩いてくる男たち。



緊張した肩が上がって息ができない。



「…チッ。ふざけんじゃねぇっつの。次はねぇからな!!」



いつまでも音沙汰のない私に諦めがついたのか、3人はいたであろう足音が遠ざかっていった。



「…はぁぁぁあ…」



一気に全ての力が抜けて、息を吐く。



もうかれこれ2年は経つだろうか。
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