借金取りと私の関係【完】
「あの……、借金返し終わったら黒崎さんは「夕飯の買い出しでも行こうか」



やっとのことで言葉を発した私を遮り、黒崎さんが作ったような笑顔を向けてきた。



「…え?」



「冷蔵庫、何もないよ」



「あ、あぁ、はい…そうですね」



わざと話しをはぐらかしているような、そんな気がした。



(黒崎さんがそんなこと、するわけないか…)



「ほら、準備して」



さっき帰ってきたばかりなのに。



どこか様子のおかしい黒崎さんは、テレビを消すと玄関へ向かった。
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