借金取りと私の関係【完】
「だーかーらー、花見!」



「聞いてるって。だから嫌だって言ってんじゃん」



「だから行こうって言ってんじゃん!」



冬はあっという間に去り、外はピンク色の花でいっぱいの季節になった。



「こんなに満開なのに花見しないとか…それでも日本人?」



「アンタの日本人の定義なんて知らないから」



借金はもうとっくに返済できているはずなのだが、私は返済を終わらせていない。



「ほら行くよ!早く着替えて!」



「あー、分かった分かった」
< 280 / 333 >

この作品をシェア

pagetop