借金取りと私の関係【完】

借金取り と ゲーム

その日の夜、昼夜逆転生活から抜け出せない体は、眠ろうとはしなかった。



頭に入らないくせにテレビをつけ、ただぼーっと眺める。



ただひたらすらに仕事をしていた方が良かったのか、この選択は間違ってなかったか。



自分がそう悩んでしまうだろうことは、覚悟を決めた時から分かってた。



だからこそ良かったと思いたいのに、黒崎さんを思い出しては頭を抱える。



たしかに最悪な状況こそ逃れることはできた。



(でも…あんなゲーム私が不利でしかないじゃん)



何かに文句を言える立場ではないことは分かってる。



だけどそれでも、父が借金なんてしなければと思わずにいられなかった。



はあ、とベッドへ横になると、静かになった部屋に雨音が響いてくる。
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