借金取りと私の関係【完】
彼らが来たときは、彼らが去っていっただろう時間から1時間は外に出ないようにしている。



用心深くはしているが、いつも去るときはさっさと去る彼らのことだ。



去った振りをして待ち伏せなんてことは、今までされたことがない。



私が帰るときを見計らい、家の前で待ち伏せされることは何度もあったが…。



そう思いながら扉の覗き穴を覗いてみる。



「…ふぅ」



案の定、彼らの姿は見当たらない。



安堵の息を漏らし、用意していたバッグを持って出かける準備を済ませる。



鏡を見ながら少しだけ乱れた髪を整えて、目の前の扉を開けた______
< 4 / 333 >

この作品をシェア

pagetop