11月の物語
こんな言葉しかオレは眠り続けるクラリにかけてやることができないんだ。
男ならいつまでも泣いているなと母さんに言われたなぁ。
母に言われた言葉を思い出すが今は無理なんだ。
刑務所を出たってクラリが『おかえり!』と元気な声で言ってくれるわけではない。
オレは独りぼっちなんだ。独りぼっちは独りぼっちらしく引きこもる。
―バタンッ―
勢いよく開かれた扉・・・
やめてくれ、オレは誰にも会いたくないんだ・・・。
いつの間にかオレは仲間に会うのが怖くなっていた。