副社長とふたり暮らし=愛育される日々
どうして、そんなにショックを受けたような顔をするのだろう。私は、仕事についてアドバイスをもらっただけなのに。


「確かに、海都くんにもいろいろ相談に乗ってもらいましたけど、それが何か関係──」


“関係あるんですか?”と、単純に聞こうとした私は、突然肩を押されてバランスを崩した。

ベッドに背中を受け止められ、視界には天井をバックに私を見下ろす朔也さんが映り、息を呑む。私の手をシーツに縫いつける力は決してきつくはないのに、身体が硬直して振りほどけない。

朔也さん、何を……!?


「お前の中を、ほかの男の存在が占めてるってだけで気に食わないんだよ」


苦しそうな表情で、低く暗然とした声色で言葉を紡ぐ彼を、私は見開いた目に映すことしかできない。

すると、歪んだ顔すらも綺麗な彼は、ふっと嘲笑を漏らした。


「悪いな、俺は独占欲が強いんだ。……このまま、俺のものにしたいくらい」


一瞬、彼の瞳に獣のような鋭い光が宿ったかと思うと、それが近づいてきて、性急に唇を奪われた。


「んっ……ふ、ぁ」


熱い舌が割り込んでくる。苦しくて、バレンタインの時に交わしたキスのような甘さを感じることはできない。

息を吐き出すと、今度は首筋に濡れた唇が押しつけられた。ぞくりとする感覚に、思わず小さな悲鳴が漏れる。

< 214 / 265 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop