謎解きソルフェージュ
「わたしは牧教授のゼミで学べることを誇りに思っています」
へぇ、と泉がつぶやく。視線が持ち上がるように、すいと動く。
あの、口調だ。
首筋のうぶ毛がぞわりと震える。
———そこに横になって服を脱いで
そう言ったときの目と声。
「なんでそう思うの?」
「教授は・・・惜しみなく持てる知識を与えて、わたしたち学生の指導をして下さいます。
自身の研究でもご多忙な身でありながら」
ふむ、と彼があいづちをうつ。
「———人格的にも尊敬できる方です。
キャリア官僚の地位を手放して、犯罪心理の研究に生きることを選んだんです。無欲で高潔な方だと・・・」
「あのひとほど強欲なひとを、俺は知らない」
それが泉の返事だった。
「教授のどこが強欲なんですか?」
心底驚いて、鞠子は問う。
へぇ、と泉がつぶやく。視線が持ち上がるように、すいと動く。
あの、口調だ。
首筋のうぶ毛がぞわりと震える。
———そこに横になって服を脱いで
そう言ったときの目と声。
「なんでそう思うの?」
「教授は・・・惜しみなく持てる知識を与えて、わたしたち学生の指導をして下さいます。
自身の研究でもご多忙な身でありながら」
ふむ、と彼があいづちをうつ。
「———人格的にも尊敬できる方です。
キャリア官僚の地位を手放して、犯罪心理の研究に生きることを選んだんです。無欲で高潔な方だと・・・」
「あのひとほど強欲なひとを、俺は知らない」
それが泉の返事だった。
「教授のどこが強欲なんですか?」
心底驚いて、鞠子は問う。