純情シンデレラ
あと1分ほど残り時間があったけれど、松本さんは得点をあげることができないまま、試合は終わった。
審判の判定で、結局相手の「技あり」1回が決め手となったようだ。
松本さんは、決勝戦で惜しくも敗れて準優勝となった。

「準優勝、おめでとうございます」
「勝ちたかったんだが・・負けは負けだ。仕方ないな」
「それでも準優勝なんですよ。めでたいと思います」と私が言うと、松本さんはフッと笑ったと思ったら、すぐ顔をしかめた。

「痛めたんでしょ、足首」
「ああ。どうやらそうらしい」

つい泣きそうな顔で見る私の方に、松本さんの手が伸びた、そのとき。
「松本さんっ!」という姫路さんの声が割り込んできたので、松本さんはすぐに手を引っこめた。

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