純情シンデレラ
「・・・ありがとうございます」
「いや」
「それじゃ・・わざわざお電話くださって、どうもありがとうございました」と言って、受話器を耳に当てたまま、見えない相手に向かって軽く頭を下げる私に、「おやすみ、けんじょう君」という松本さんの低い声が聞こえた。
「松本さんっ。私の苗字は“みかみ”だって知ってるんでしょう?お父さんの名前だって知ってるんだし」
「ああ。だがその方が互いに分かりやすいじゃないか」
「え。どっちが・・って、やっぱり“けんじょう”ですよね」
自分で聞いておきながら、自分で答えを導き出した私は、ついクスクス笑ってしまった。
今のところは、松本さんだけが私のことを「けんじょう君」と呼ぶから、確かに「分かりやすい」わよね。
それに、これからも私のことをそう呼ぶのは、松本さん以外、誰もいないだろうし。
ある意味、あだ名みたいなものかと割り切った私は、「そうですね」と答えておいた。
「いや」
「それじゃ・・わざわざお電話くださって、どうもありがとうございました」と言って、受話器を耳に当てたまま、見えない相手に向かって軽く頭を下げる私に、「おやすみ、けんじょう君」という松本さんの低い声が聞こえた。
「松本さんっ。私の苗字は“みかみ”だって知ってるんでしょう?お父さんの名前だって知ってるんだし」
「ああ。だがその方が互いに分かりやすいじゃないか」
「え。どっちが・・って、やっぱり“けんじょう”ですよね」
自分で聞いておきながら、自分で答えを導き出した私は、ついクスクス笑ってしまった。
今のところは、松本さんだけが私のことを「けんじょう君」と呼ぶから、確かに「分かりやすい」わよね。
それに、これからも私のことをそう呼ぶのは、松本さん以外、誰もいないだろうし。
ある意味、あだ名みたいなものかと割り切った私は、「そうですね」と答えておいた。