純情シンデレラ
松本さんは、トートバッグを私の顔の前に掲げ持った。
反対側の手は、相変わらず私の腕を掴んだままだ。
自分が大柄で力持ちなのを意識しているからなのか、そこは全然痛くない。

「どうせ出社するなら、君にこれを返しておこうと思った。だから今日出社した」
「えぇっ!そんな理由でお昼食堂に来てくれって言ったんですか!?もう松本さんったら・・・。タッパーなんて急いで返してもらう必要なかったのに。ちゃんと足、治さなきゃ。そっちの方が先でしょう?」
「そんなこと分かってるさ!分かってないのは君の方だ!」
「はあ?何言って・・・」
「ちょっとあなた」
「えっ!?」

なんで姫路さんがここにいるの!?
帰ったと思ってたのに。

< 198 / 530 >

この作品をシェア

pagetop