純情シンデレラ
もう自分が何を言っているのか分からなくなった私は、松本さんに一礼してその場を“まとめる”と、クルッと踵を返して、スタスタ歩き出したけれど、2・3歩歩いたところで、私は立ち止まり、また松本さんの方を向いた。

「松本さんっ」
「ん?なんだ?けんじょう君」
「あの・・私、“たんぽぽ”好きです。“たんぽぽ”って、読む人だけじゃなくて、つくる人の気分も上げてくれますよ。だから・・私の方こそ社内報づくりを手伝わせていただいて、本当に感謝しています。ありがとうございます」

顔が赤くなってるのが自分でもわかる。でも、言いたいことは大体言えたと満足した私は、もう一度松本さんに一礼すると、再びクルッと踵を返して、今度こそ営業フロアから立ち去った。
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