純情シンデレラ
「え・・・えぇ!?“これ”に乗るの!?」と驚きを隠せないまま聞く私に、お母さんは涼しい顔で「そうよ~」と答えた。
「だってほら、恵子は乗馬が好きでしょ?」
「いやっ。別に“好き”って言える程、たしなんでないんだけど・・・」
そう。私の場合は「涼里(すずさと)に来たら乗馬をする」と言う程度のたしなみで。
しかも最後に馬に乗ったのは確か・・・2年前の春だったような・・・。
しかも私、馬車に乗ったことは一度もないし!!
「大丈夫よ。恵子はただ、乗るだけでいいんだから」
「う・・」
「それに、私とお父さんも一緒に乗るし」
「え。お父さん?」
そこで私は、馬車の中から「よぉ」と言いながら、陽気な顔で手を振っているお父さんの存在に、ようやく気がついた。
「なかなか快適な乗り心地だぞ」と言うお父さんは、どうやら“運転手”ではないらしい。
その証拠に、私たちのすぐ近くに立っている、ヨーロッパの兵隊さんのような制服を着た男の人が、私たちが乗るのを待っているようだから。
その男の人は、私に向かって「街の景色をお楽しみいただけるよう、ゆっくり走ります」と言ってニコッと微笑んでくれたおかげで、私はようやく馬車に乗る決心がついた。
「だってほら、恵子は乗馬が好きでしょ?」
「いやっ。別に“好き”って言える程、たしなんでないんだけど・・・」
そう。私の場合は「涼里(すずさと)に来たら乗馬をする」と言う程度のたしなみで。
しかも最後に馬に乗ったのは確か・・・2年前の春だったような・・・。
しかも私、馬車に乗ったことは一度もないし!!
「大丈夫よ。恵子はただ、乗るだけでいいんだから」
「う・・」
「それに、私とお父さんも一緒に乗るし」
「え。お父さん?」
そこで私は、馬車の中から「よぉ」と言いながら、陽気な顔で手を振っているお父さんの存在に、ようやく気がついた。
「なかなか快適な乗り心地だぞ」と言うお父さんは、どうやら“運転手”ではないらしい。
その証拠に、私たちのすぐ近くに立っている、ヨーロッパの兵隊さんのような制服を着た男の人が、私たちが乗るのを待っているようだから。
その男の人は、私に向かって「街の景色をお楽しみいただけるよう、ゆっくり走ります」と言ってニコッと微笑んでくれたおかげで、私はようやく馬車に乗る決心がついた。