純情シンデレラ
生まれて初めて、おっかなびっくり恐々と馬車に乗った私は、はじめ、隣に座っているお母さんの手を、命綱のようにギューッと握っていた。
でも、馬車の中(座席)は思っていたより揺れが少なく、乗り心地も悪くないと気がついてからは、次第に私の緊張も解けていった。
「ねぇお母さん」と聞きながら、さりげなくお母さんの手を離すと、お母さんは逆らわなかった。
「なあに?恵子」
「この馬車、一体どうしたの?」
「あぁ。昨日の結婚式でね、直美ちゃんと新郎さんの、ええっと、何て名前でしたっけ。お父さん」
「徳島久志(ひさし)君」
「そうそう。二人はね、“コロボックル”からお式を挙げる教会まで、馬車で行ったのよ」
「ほら、ウワサをすればだ」
でも、馬車の中(座席)は思っていたより揺れが少なく、乗り心地も悪くないと気がついてからは、次第に私の緊張も解けていった。
「ねぇお母さん」と聞きながら、さりげなくお母さんの手を離すと、お母さんは逆らわなかった。
「なあに?恵子」
「この馬車、一体どうしたの?」
「あぁ。昨日の結婚式でね、直美ちゃんと新郎さんの、ええっと、何て名前でしたっけ。お父さん」
「徳島久志(ひさし)君」
「そうそう。二人はね、“コロボックル”からお式を挙げる教会まで、馬車で行ったのよ」
「ほら、ウワサをすればだ」