純情シンデレラ
「別に“友だち”と言ってもさ、四六時中一緒にいて、頻繁に連絡を取り合うようなことをするんじゃないんだ。時々会って、近況を語り合うような仲になれればいいなと」
「あぁ、なるほど・・」
「まずはそこからだろ?」
「うーん・・そう、ですね」

真剣に悩んでいる私に、課長さんは助け舟を出してくれたんだから、今はそれに乗るべきだと思った私は、「はい」と返事をした。
気が合うのかどうかは分からないけれど、私は課長さんのことが嫌いじゃない。

再び王子様の笑みを顔に浮かべた課長さんは、「もう一度乾杯しよう」と言って、グラスを掲げ持った。

「僕たちの友情に」
「乾杯、です」

グラスを合わせた軽やかな音が、私たちの間に響く。
この「友情」が、後に大きな誤解を招くことになろうとは・・・この時の私は、もちろん知る由もなかった。

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