純情シンデレラ
「僕・・好きなんだ」
「えっ?」
「星や宇宙が」
「あぁ・・」
「だから兄たちは、大学で建築や経営の勉強をしたのに、僕だけ天文学を専攻して、留学までしてしまった」
「ダメなんですか?」
「え」
「だって、好きなんでしょう?天文学が。だったら勉強を続けてもいいじゃないですか。そのうち天文学者になれるんじゃないんですか?」
「君はそう簡単に言うけど、現実は甘くないんだよ。天文学の世界は狭いからね。学者になれるまでの道のりは、あってないようなものだ」
「宇宙という無限大な分野を扱ってるのに」と呟いた私に、有栖川さんはクスクス笑った。

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