純情シンデレラ
・・・個室か。
そうよね。
姫路さんのところはお金持ちだし、姫路さんがああいう・・性格だから、2人でも相部屋だったら何かと“合わない”わよね。
今更だけど改めて思い至った私は、意を決するためにドアの前で深呼吸を一度してから、病室に右足を踏みだした。

「し、失礼・・いたします」
「あら・・・メガネちゃんじゃないの」

姫路さんはそう言ったきり、そっぽを向いてしまった。
途端に、「たぶん追い返されるぞ」と言った松本さんの言葉が脳裏によみがってしまった私は、早くも「来るんじゃなかった」と後悔し始めていた。

「ぇっと。来ると事前に連絡しなくてごめんなさい。その・・」

「帰ります」と言いそうになった私の気持ちまで先読みしたのか。
姫路さんが寝ているベッドサイドの椅子に座っていた女性がスッと立ち上がって、私の方に歩いてきた。

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