純情シンデレラ
それから松本さんが住むアパートに着くまでの約10分間、車内は無言だったけれど、私が車を停めた途端、「君はどう思う」と松本さんが聞いてきた。

「えっ?っと、何が・・ですか?」
「俺の考えと姫路の意見」
「う、ううんと、そうですねぇ・・姫路さんの気持ちも分からなくはないです。でも正直言って、松本さんの考えの方が分かるというか。松本さんの考えを聞いたとき、“あぁ分かる”って、強く思いました。私、生みの両親の死に目に会えなかったから、今の両親にはできる限りのことをしたいという気持ちは、もしかしたら人一倍強く持ってるかもしれません。両親だけじゃなくて、好きな人が病気になったり事故に遭ってしまったとしても、私だったらやっぱり・・・きちんと看取りたい。松本さんが言ったように、そのときの姿が一番愛おしいと思うだろうし、たとえ相手が弱弱しい姿を見せたくないと思っても、看取る側としては、そういう姿も受け入れられるというか・・やっぱり会わずにはいられないと思うんです。相手と代わることができなくても、その場に一緒にいることで、空気を共有したい。少しでも・・1秒でも長く」

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