純情シンデレラ
「何より彼女とは、価値観が合ってると思う。“ここは外せない”という大事なところは、共感できてる気がするんだ。たぶん彼女の方も、そう思ってくれているはずだ」
「あのぅ。つかぬことを伺いますけど・・いつの間に、おつき合いをしていたんですか?」

途端に数秒、辺りに沈黙が落ちた。
その間、質問された松本さんは、質問をした私を、難しい顔でただじーっと見るだけだ。

なんか、この間がちょっと・・・私の質問が不躾過ぎたのかしら・・・。

「・・・まだつき合ってない」
「あっ。そうでしたか。ということはえっと・・松本さんが好きというだけで・・」
「俺たちは両想いだ!ただ彼女の方に、俺のことを愛してるという自覚がないだけだ」
「へ。へぇ。そうですかっ。だったら・・おつき合い、できるといいですね」
「・・・そんなに辛そうな顔するなよ」
「いや別に!辛くなんかないで・・・え!?ちょ・・まつもとさん?松本さんっ!」

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