純情シンデレラ
正直言って、大柄なこの人に寄りかかられると、かなり重たいんだけど・・・でも、この重さが心地良いというか・・・いやいやそうじゃなくって!
この人から発せられる“温もり”が、心地良いんだ。
それに、姫路さんとお別れをしてきたばかりの今は、重たくてもいいから、松本さんの温もりを感じていたいし、たぶんこの人も、私の温もりを必要としている。だから私に寄りかかって眠っている。そんな気がしてならない。
何より、今強引に起こしにかかっても、きっとこの人は起きないだろう。

とはいっても、それから10分くらいで、私の家に着いてしまった。
熟睡しているところを起こすのは申し訳ないと思ったけれど・・・仕方がない。
私は、心の中で「ごめんなさい」と謝りながら、静かに、優しく松本さんに呼びかけた。

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