純情シンデレラ

そう言えば、「強烈な第一印象」って・・・私が松本さんに抱いた気持ちと同じじゃ・・・。
それに松本さんと初めて会ったのは、痴漢に遭遇した満員電車の中っていうのも、「滅多にない最悪な出会い方」と言えるんじゃない？
それに・・・私たち、会えば必ず言い合いしているような・・・。

「まさか、ね」

私はハハッと乾いた笑い声を小さく上げながら、ベッドにサッともぐりこんだ。

・・・ムキになって言い返している私の顔は、決して可愛くなんか・・・ない。
それより松本さんは私のことを、もう「けんじょう君」と呼んでくれないのは・・・私に好きな人のことを話したからなの？

・・・一人で悶々と考えても、結局分からない。だからもう・・寝よう。