純情シンデレラ
「恵子っ!」
「あ・・・出さん」

文字通り、病室に駆け込んできた出さんを、私は笑顔で迎えたつもり・・なんだけど、ちょっと泣きが入った笑顔になってしまったと思う。
実際にそのときの私は、泣きそうになっていた。

「大丈夫か」と言いながら、松本さんは私の顔を見たままで、手をそっと握ってくれた。
いつもの優しさと、ホッとする温もりを感じて、ようやく緊張が解けたのか。
私はシクシクと泣き出してしまった。

「おいおい。どうしたんだよ恵・・」
「・・・た、って」
「ん?なんだ、聞こえん・・」
「おめでた、だって」
「そうか。おめでたか。病気じゃないんだな・・・っておいちょっと待てよっ!それ・・・ホントか?!」

最初は冷静に聞いていた松本さんは、今、飛び上がらんばかりに驚きながら、私を見ている。
そんな彼の様子がおかしくて、思わずクスクス笑ってしまった。
ついさっきまでシクシク泣いてたのに。今の私の心はジェットコースター並みに揺れている。
でも、心のアンバランスも、妊娠中にはよく起こることだと先生に言われたばかりなので、ホッとしている。

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