純情シンデレラ
夜7時台の電車内は、思ったより人が多くて、私たちは座ることができなかった。
「・・松本さん」
「なんだ、けんじょう君」
「素子さんたちにああまで言ったからって、ほんとに家まで送ってくださらなくても・・私、一人で帰れますから」
「君を家まで送ると言ったのは俺だ。君に頼まれたからじゃない。それにもう、柳谷(りゅうこく)までの切符は買ってるんだ」
「それは・・・知ってます。でもなんで・・・あ!分かった。土曜日、社内報の入力で私は休日出勤する形になるからそれで・・・。松本さん」
「なんだ」
「私、行きますと言ったからには、ちゃんと行きますよ。どうしても行けない事情が発生ない限り、すっぽかしたりしませんから。別に私の機嫌を取っておく必要なんてないです」
片手でつり革を、もう片方の手で私の花束を持っている松本さんは、じーっと私を数秒間凝視した。
そしてやっと、「君は」と呟いたと思ったのに、そのままため息をつかれてしまった。
「・・松本さん」
「なんだ、けんじょう君」
「素子さんたちにああまで言ったからって、ほんとに家まで送ってくださらなくても・・私、一人で帰れますから」
「君を家まで送ると言ったのは俺だ。君に頼まれたからじゃない。それにもう、柳谷(りゅうこく)までの切符は買ってるんだ」
「それは・・・知ってます。でもなんで・・・あ!分かった。土曜日、社内報の入力で私は休日出勤する形になるからそれで・・・。松本さん」
「なんだ」
「私、行きますと言ったからには、ちゃんと行きますよ。どうしても行けない事情が発生ない限り、すっぽかしたりしませんから。別に私の機嫌を取っておく必要なんてないです」
片手でつり革を、もう片方の手で私の花束を持っている松本さんは、じーっと私を数秒間凝視した。
そしてやっと、「君は」と呟いたと思ったのに、そのままため息をつかれてしまった。