恋の音はすぐそばに
「素直な気持ちを伝えること…。責めるよりもお礼を…」


紫緒先輩にそう言われて私は気づいた。


私は菜緒先輩に何も伝えていないということ。


助けてもらったのにお礼すら言ってないなんて…。


「あはは…」


乾いた笑い声を漏らす。


本当、子どもでもわかることなのに。


私は何をやってるんだろ。


「…菜緒先輩、助けてくれてありがとうございます」


菜緒先輩に向かって、呟くように言う。


だけどその言葉は空を切るだけ。


眠っている菜緒先輩には届くことは…ない。


「お礼を言ったって…っ、先輩が起きてないと意味無いよっ」


頬を伝って涙が先輩の頬へと落ちる。


ごめんなさいっ。


私がぼーっとしてたからっ。


私が犠牲になればよかったんだっ。


紫緒先輩はああ言ってくれたけど…。


先輩が私の犠牲になることなんて…なかったんだ!!


先輩を待ってる人はたくさんいるのだからっ。


ごめんなさい、先輩…っ。


それでも先輩が好きなんですっ。




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