【完】最後の恋
「そうだよな…。
女はプロポーズって綺麗な夜景の見えるレストランとかで
言われるのがいんだよな」
『違うよ…。
三年前に言って欲しかった…。
待っててくれ、戻ったら結婚しょうって』
アキは割れた皿を片付けながら、
あの割れたコーヒーカップを思い出した。
「ごめんな…」
一志が一言…。
『さっ、ご飯出来たから、一志、座って』
とにかく、この動揺を抑えたかった…。
二人は席に着き、食事を始めた。
「俺の好物ばっかじゃねーか。旨そう!」
と一志は喜ぶ。
「うっめぇー!
やっぱアキの料理は最高だな」
喜びながら食事をする一志の顔を見ていると、
まるで三年前に戻ったみたいだった…。
これだけでいいとさえ思えた…。