桜龍
――ガラッ

「ママー!みてみてー!作ったのー!」

ゆうくんとけいちゃんが戻ってきた…

けいちゃんの手には、パウンドケーキの乗ったお皿を持っている

テーブルの真ん中に置いた

『すごいね、ゆうくん!けいちゃんと一緒に作ったの?』

戻ってきたゆうくんを、すぐにあたしの膝の上に乗せ聞いたら、嬉しそうな顔で

「うん!スゴイでしょ!!」

ゆうくんから、褒めてオーラがすごい…

『すごいねー!ゆうくん!お料理上手だねー!』

頭を撫でてあげながら褒めた

ゆうくんは、「えへへ」と嬉しそうにしてくれてるからOKとする

「最近、ゆうが料理を教えろってずっと言ってくるからなー!」

今のゆうくんの中のマイブームが料理なのかな?

『いいんじゃない?料理男子って今の流行りじゃない?』

うん、いいと思う…

「まぁなー!とりあえず、先にみなの料理を食べてからにするかー!」

そりゃケーキだもんね…

「けい、店は閉めたか?」

「うん、後は姉さんの客だけ」

あ、あたしらだけじゃないんだ

「じゃあ、俺らも飯食えるなー!」

『もう、お店閉める時間なの?』

そんなに、時間経ってるんだっけ?

「ここの店はあんまり閉店時間決まってないからなー!だから、馴染みのやつ以外あんま来ねーなー!」

それで、経営が成り立ってることがすごいと思うよ…

『あ、そう…うん、さすがみなくんのお店だよ…』

「だろー!」

えばってるけど、胸張って言える事じゃないんだけどね…普通はね…

『まぁ、うん、いいよ!ゆうくん、どれ食べる?』

あたしは、ゆうくんが食べたいものを取り皿にとって食べさせてあげることにした

『みんなも、食べたら?』

あたしがゆうくんに食べさせながらみんなを見ればまた、食べながらいろんな話をした…

みなくんやけいちゃんは、あたしがココに来た理由をあえて、聞かない感じがした…

ありがたいけどね…

「おわったー!ただいまー!」

みんなが大体の食事を終えて、酒を飲み始めたころに、まなねぇがヘトヘトになって座敷に帰ってきた

「おー!お疲れさん、どーだった?」

みなくんが酒を呑みながら聞いた

「契約はもらったわ!けど、疲れたー!」

契約って何の?とは、思ったけど今はあたしにとっては関係ないから聞かないことにした…

みんなも酒を飲み始めていた…

「紘は、何飲む?」

みなくんと問われ

『ビールと焼酎以外にして』

と、お願いした

飲めないわけではないが、好きではない

「カクテルチューハイでいいか?」

みなくんから、赤オレンジ的なコップを渡された

『これは?』

「カシオレ」

カシオレか…

『ゆうくん、このコップのやつはママのだから飲んじゃダメだよ!いい?』

チューハイやカクテルは匂いがジュースと似てるからゆうくんが間違えて飲みそうで怖い

「あーい!」

うむ、よろしい…

ゆうくんには、間違えないように子供用の取っ手の付いているプラスチックのコップにジュースを入れてあげる

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