桜龍
まなねぇは、サーと顔を青ざめて

「そうゆう事は早く言いなさいよ!」

ピュンっと1階に行ったみたい

「これでいいだろ?たぶん、当分戻ってこねぇだろうし」

コクンと頷くあたし

『とりあえず、あたしがまなねぇが立ち上げた新人モデル育成プロジェクトの第一号だって、とこまでの理解は出来た?』

「うん、大丈夫」

よし、これで話が進むね

『とりあえず、一気に喋るから質問は後にしてね』

この話は一気に話した方がわかるからね

「了解」

涼の了解を聞いてあたしは、魁斗と晶を見れば2人も頷いた…

晶に関しては混乱してるみたいで面白かったけど…

『あたしはまなねぇが立ち上げた新人モデル育成プロジェクトの第一号として、新人モデルとして活動していた。もちろん、あたしはモデルとして生きていくつもりなかったから、まなねぇには『このプロジェクトが安定するまでは、協力はするけどテレビ出演も雑誌インタビューも受けない』という約束と契約書を書かせた…けれど、まなねぇは、功績をあげることに必死になって、テレビ出演にOKを出した、それにあたし一人でこなせるはずもない量の仕事をあたしに押し付けるから、いい加減に限界だったあたしは逃げた…そして、少したった時に関係者の人に「プロジェクトは、成功したから戻っても問題ない」って、聞いたからあたしは、元々住んでいた所に戻ったんだよ』

ふぅ、話すのが苦手なあたしがよくもまぁ、ここまで一気に話せたよ…

『さて、聞きたいことはある?』

ここで、3人の質問に答えましょう

「どうして、今日まで真奈美さんと会わなかったんだ?」

魁斗がそこを気にするだ…

『そりゃ、会わなきゃいけないとは思ってたけど、その時のモデルの全てを管理してるリーダーが「会えばまた、仕事をさせられるから会わなくていい」って、言われたから会わなかっただけ』

なんで、また仕事しなきゃいけないんだよってなったからねぇ

「なんで、そのリーダーさんは紘ちゃんに会えたの?隠れてたんでしょ?」

逃げてた事を隠れていたとすぐに理解できる涼は、すごいと思う…



『そこは、言ってなかったね…リーダーには、逃げる前に居場所を伝えてたの、チーフは、信頼できなかったけど、リーダーのことだけは信頼してたから』

うん、あの人のことは何故か信頼出来たんだよね…

逃げたことも責めなかったし、むしろ「あれだけの量を一人でこなしてたら逃げ出して当然ね」なんて、言ってのけちゃった訳だし…

「紘ちゃんって、なんか凄いんだね!」

笑っちゃってるけど、本当にそうだと思う…

さて、次の質問は何かな?

「湊人さんは、虐待をうけてたんですか?」

今度の質問は、魁斗がみなくんに質問した

そっか…みんなは、知らないんだ…

「まぁな、その関係で俺はけいの親に世話になったからな…」

そんな事も言ってたね…

「どうして、圭哉さんのご両親なのですか?」

涼の意見もごもっともだよね…

「ガキの頃からけいとは、仲いいんだよ…家も近くてな…俺が親に追い出されて、家に入れなくなった時にはけいのとこの親が泊めてくれたりしてたし、親に捨てられ身寄りのなかった俺をけいのとこの親が「今まで一緒に暮らしてきたようなものだし、ここに住めばいいよ!」って、温かく迎え入れてくれたんだよ!」

だから、みなくんはけいちゃんの事を見捨てられないのか…

「紘は知ってたのか?」

魁斗さん、ちょっと言葉足らずだよ…

『あたしは、聞いただけ…』

うん、確かに聞いただけなんだよね…

あたしは…

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