桜龍

やるべき事

今日は家に送ってもらうことにした

「じゃあ、また明日ね。お昼前には迎えに来るね!」

涼がドアを開けてくれた

『ありがと。』

「どういたしまして。じゃあ、明日ね!」

『うん。』

車が見えなくなるのを確認して自宅への道のりを歩き出した

とりあえず、今日は仕事を多めにやっておこう

Tigerの分をあたしがやる必要はないだろうけど、あたしの独断でTigerを休ませることにしたのだから、あたしがやるのが当然だろう

部屋に入り、すぐにパソコンへ向かった

Tigerが抱えていた仕事内容を確認して自分がやることを本部に伝えていた時に

――pppppppp

電話が来た

ディスプレイには、〔Cherry(チェリー) 〕からだった

cherryは、あたしを慕っている仕事内の後輩だ

が、この子はあたしが得意ではない

たぶん、今回の件についての電話だろう

仕方ない、出たくはないが出なければ…

――ピッ

『もしもし』

「あっ!先輩!聞きましたよ!これからどうするんですか?」

あー、やっぱりか…

『どうするもなにも、Tigerが戻ってくるのを待つよ。それ以外に選択肢なんてないでしょ?』

他の選択肢なんて、あたしには考えられない

「本気で待つおつもりなんですか?戻って来ない事だって考えられるんですよ!」

あー、この子ならそう言うと思ってた

『絶対に戻ってくるから、待つよ。約束したから』

「約束なんて信じてるんですか!甘いですよ!」

結局cherryは何が言いたいのかよく分からない

ハッキリさせるか…

『あのさ、何が言いたいの?』

「あたしは、ただ先輩がこれからどうするつもりなのか心配で…」

『ふーん、心配ね…』

cherry自体があたしを心配するとなると仕事のことだろうけど、この感じだと…

たぶん別の目的だな…

直感で思ってしまう…

「ほ、本当に心配してるんですよ!先輩は、組織の中でも最高ランクのハッカーなんですから!」

最高ランクねぇ…

< 83 / 206 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop