爆走姉貴ー星路の苦悩ー
「美月は心理カウンセラーになるのは諦めた方がいいと思…………ぐはっ?!」



言いかけた俺は、突然襲ってきた腹の激痛にうずくまった!

顔を歪めながら視線を上げると、美月が右足を床に降ろす所………。


「何でいきなり蹴る?!」
「思い上がるな、油虫が」


油虫?!


「言ったろ?あたしには、崇高な使命があると」


ああ…神から選ばれたとか何とか?
それって美月の妄想だろ?



「妄想じゃねぇよ!」
「――っ?!」


俺…今…思っただけだぞ!
声に出してなかったよね?!


「邪悪な想念は手に取る様にわかるのだよ?弟よ」



にやり…と笑う美月……。

怖えぇ――――っ!!




「お前は馬鹿だから、一から教えてあげよう」


美月は、床にうずくまる俺の前に屈み込んだ。



つか、馬鹿だからって何だよ。




「あたしはね、世を変える者なんだよ」

世を?
何?税金安くしてくれるとか?


「まずは心理学を学び、人の思考を操り、美月様と呼ばせる事が第一段階」


美月様と?!
第一段階って何?
何段階かあるって事?

いやそれ以前に…人の思考を操るとか言ってたよね?
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