爆走姉貴ー星路の苦悩ー
「っだよ!星路!朝から寝てんのか?」
「っぐあ!」


―――ゴンッ!



いきなり背を叩かれ、俺は額を机に打ち付けた。



「っ何だよ!いきなり!」
「あ?悪ぃ、マジ寝かと思ってさ」




悪いと言いながら笑うのは、同じく親友の萩原雅治。

「寝てねぇから」


こいつが笑うと、何か許せちまうんだよな。


雅治は童顔なんだ。
小池徹平に似ている。

屈託無く笑われると、裏があっても気にならない。


だからなのかな?
雅治は年上にモテる。





「あれ?星路…髪型違くね?」


さすが雅治!
気付いてくれたのか!


「そうなんだ!山下智久風に!」
「山下智久?」


……なぜそこで首を傾げるんだ、雅治よ。




「いや…星路、顔は山下智久に似てるけどさ…」



けど?



「その髪型は…大泉洋じゃね?」
「―――?!」



また出た!
大泉洋!

何でだよっ!!


更に精神的ダメージ増加!
ライフポイント激減!!



「ああ、俺もそう思った」
「拓也さんっ?!」


思ったのっ?!

ひどすぎる――――っ!!



……あれもこれも全て…美月のせいだっ!!
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