爆走姉貴ー星路の苦悩ー
美月が俺の朝と髪型を掻き乱したからだっ!


美月にドライヤーをあてられた時から、俺の今日は狂い始めた。

俺の幸せの歯車を狂わす美月………憎い奴だ。




「星路、何歯軋りしてんだよ」
「別に…」
「大泉洋が気に入らなかったのか?」
「気に入る気に入らないの問題か?」


どうせ主張しても、もうお前らには大泉洋以外には映らないだろ…。


「すねんなよ」
「すねてねぇよ」
「わかったよ、じゃあ…百歩譲ってDJ・OZMAでいい?」
「いい?って!――アフロですよね?!」

百歩譲ってソレかよ!
変な方向に矢印向いちゃってんじゃん!



「…もういい」
「大泉洋で?」
「その意味じゃねぇよ!もう髪型には触れないでくれ!心が溶ける!」
「壊れるじゃね?」
「そう!それだ!」



俺のクリスタルガラスの心は、美月のせいでひびだらけなんだ!


ちょんとつつけば砕け散る程に!

繊細なんだ!
それを美月は、叩き割ろうとする!



毎日毎日毎日………。


蹴られ殴られ締め上げられ…ボロボロだ。




「ああ可哀相に……俺のハート……」
「イッちゃってないか?星路」
「いつもの事だろ」
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