爆走姉貴ー星路の苦悩ー
バラすぞ?
美月の正体をっ!!

俺の姉だとバラすぞ!



睨む俺の視線の先で、美月は突然うつむき、ため息をついた。




「…ごめんね、星路くん」




…………………は?





「リン、叩いたりして」




叩いた…って言うか…むしろ鈍器で殺意を持って殴られた感覚ですが?


つか、美月から今…ゴメンって聞こえたんだけど…。




幻聴?






「ごめんね」

「……!!」


幻聴じゃないっ?!
生まれて初めて聞いた美月の謝罪の言葉!

こいつ、ごめんねって言葉知ってたのか?!
信じられねぇ!
罠?!


「星路くん、リンを許してくれる?」

すねた様に唇をとがらせ、俺を見上げる美月。


「……………」


待て……落ち着け、俺。

これは改心なのか?
それとも新たな罠か?


見極めろ。
見極めるんだ、俺!



「おい、星路。リンちゃん謝ってんだろ」
「ちょっと待てよ、今見極めてんだから」
「かわいそうだろ?リンちゃんが。心痛めてるんだよ」
「瓶で殴られた俺は痛くないと?!」



洗脳されてる…。
すでに俺の親友達が美月に洗脳されているぅ!
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