爆走姉貴ー星路の苦悩ー

ガシャァ――ン！！



美月の叫びと同時に、俺の頭に衝撃が走った！



「リ…リンちゃん？」




呆然とした雅治の声に顔を上げると…目の前には割れたボトル瓶を片手に握りしめた美月の姿が！



「ひどいよ？！そんなありきたりの言葉で表現されても、お姉さんの魅力は全然伝わらないじゃない！」
「だからって瓶で殴りますか？！」


何を考えてんだぁっ！！
俺…血だらけじゃねぇかよぉ！！


「星路くんに目を覚ましてもらうには、瓶で殴るしか方法が無かったの」
「下手すりゃ死にますが？！」


恐ろしい奴だ！
大体！瓶で殴るしか無いって！
他にいくらでも方法あるよねっ？！



「大丈夫！ギャグ話の法則では、肉体的回復は三行あれば充分なんだよ」
「三行ですか？！」


「あ、ホントだ。怪我治ってるぞ？星路」
「リンちゃんの言った通りだな」
「お前ら納得してんじゃねぇ――っ！！」


俺の頭を撫でる二人の手を跳ね退けた！
何を順応してやがる！


「良かったね♪治って」
「何が良かったね♪だっ！あなたが犯した傷害だよね？！」


人事みたいな涼しい顔しやがって…。

この悪魔がぁ――っ！！