爆走姉貴ー星路の苦悩ー
「小さい頃からの癖が直らないみたいで…高校生なんだけど、いつもパッドをあててないと不安なんだって…」


あててませんっ!


「この前なんか…大きい方まで洩れちゃって……緩いんだね、きっと……洗面所で隠れて下着を洗う弟の背中が小さくて……そんな弟が、リンは不憫で仕方ないの!」


緩くねぇ―――っ!!
隠れて洗ってもいねぇ!

どこまで俺を辱め、陥れれば気が済むんだ!美月!!
めちゃくちゃな嘘つきやがって!
お涙頂戴にもならねぇぞ!そんな嘘話なんかなぁ!




「…リンちゃん……何て優しいんだ…」
「今時珍しいよ…こんな純粋な心を持つ女の子…」


お涙頂戴しちゃってるぅ―――っ?!


「俺、何か心を洗われた気持ちだよ」


何リフレッシュ宣言してんだよ!雅治!
洗われた所か黒く塗りたくられてんぞっ?!



「なぁ?星路もそう思うだろ?」
「…………」



やめろ!拓也、雅治。
そんな同意を求める様な目で見るな。

美月に洗脳された目で、哀れむ様に見るのは止めろ。

止めてくれぇっ!




「うわぁっ!」
「星路?!」

もう堪えられねぇ!



俺はその場から走り出した!
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