爆走姉貴ー星路の苦悩ー
途端、二度目の衝撃が俺を襲った!

「ぐあっ?!」

しかも倒れた俺の上に、更にチンピラ様が倒れ込むという惨事!



一体何が起こったぁっ?!




「おい!てめぇ!よくもこの俺の目の前で星路を痛めつけてくれたなぁ?」



この声……。




俺は、倒れた状態のまま声を目線で辿った。



その先には、白いミニドレスをたくし上げ、脚線美をあらわにしつつ、ヒールの踵を手で押さえながら俺とチンピラ様を見下ろす美女が……。


「美月っ?!」




……どうやら、美月がチンピラ様の背中に飛び蹴りをくらわせたらしい。


俺が下敷きになるなんて考えもしなかったんだろうな。

美月だから。




「あ〜あ…ヒールの踵が折れちゃった」



ヒールを脱ぎながら舌打ちする美月。



「何なんだ!てめぇ!いきなり!」

立ち上がり、怒るチンピラ様。


そりゃそうだよな?
背中から不意打ちだしな。




「ああっ?何すんだは俺の台詞だ」


おいおいおいっ!!

怒るチンピラ様に、美月は強気だよっ!!
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