爆走姉貴ー星路の苦悩ー

「おまたせ〜♪」



うわずいた声に、俺の身体がビクリと反射的に震える。


美月が戻って来たぁっ！

来なくていいのにっ！





「今、何か言った？」
「とんでもございません！」

心を読まれかけた！
恐っ！





美月の隣には、薄いピンク色のチューブドレスを着た小さな女の子が立っていた。

うつむいていて顔は見えないが、美月が言っていた新人だろう。



淡い色の長い髪は緩く巻かれていて、儚げな雰囲気。




「新人のユイちゃん。まだお客慣れしてなくて」

美月に紹介された女の子は、恥ずかしそうにうつむいたまま頭を下げる。



「ユイちゃん、ここにいる三人は、テツちゃんと拓也くんとエッグ。あたしの知り合いだから大丈夫だよ」



三人のみ紹介？！



「そのナチュラルに削られてる一名の紹介がまだですが？！」
「あれ？まだいた？」
「美月が俺の為にと言い、待てと命令しただろ！」
「そうだっけ？」
「自分で言った言葉を清々しく忘れんなよ！」




ひでぇ！
あまりにもナチュラルすぎて、危うく見逃しそうになったぞ！





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