爆走姉貴ー星路の苦悩ー
「甘ったれるなぁっ!!」
「ぐはぁっ!」




布団を被る俺の腹に、ジャンプした美月が着地したぁ!!




「何すんだよぉっ!殺す気か!」
「ああ!死ね!」


いきなり死ね?!


「お前、美鈴ちゃんの気持ちを考えてやらないのか?」


美鈴の気持ち?


「キャバクラにバイトに来たのは、金の為では無い!」


俺の上に仁王立ちにまたがり、叫ぶ美月。

どんな状況でも偉そうで、謙虚さとは無縁なのが美月だ。



「金じゃないって…なら何なんだよ」
「だから死ねと言っている」



……訳わかりませんけど。




「星路、お前は美鈴ちゃんと別れたいのか?」
「んな訳ねぇだろ!」
「なら、ちゃんと話を聞いてやれ。自分だけ傷付いたと思うなら大間違いだ!」
「美月……」



どうしたんだよ……。
何を俺の為にムキになってんだよ。


美月らしくねぇだろ…。




「あの場に居合わせた、あたしの心もダメージを受けたんだ」



美月も?


何…じゃあ…美月は俺の苦しみを理解して……ムキになってるのか?

マジかよ。




美貌を歪め、辛そうにうつむく美月。


そこまで俺を…。
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