爆走姉貴ー星路の苦悩ー
やはり美月は恐ろしい!
何をされるかわからない!

布団を被りすすり泣く俺の上から降りた美月は、机の椅子を引いて来て座る。



脚線美をあらわにしながら脚を組むと、布団の端をつまんで覗き込んでくる。


「まぁ…エッグとの濃厚なラブシーンは置いてだな」
「濃厚とか言うなぁ!」
「ユイちゃん、いや美鈴ちゃんは星路の彼女らしいな?」
「誰から聞いたっ?!」



上半身を起こした俺を見つめ、美月は眉をしかめる。


「阿呆か?あそこまで分かりやすい反応を見れば分かるだろ」


そうか……。


「まぁ、大筋は拓也くんと雅治くんから聞いたが…あたしが天才的な思考を駆使し、美鈴ちゃんには弟が姉の売上に協力しに来たと説明しておいた。美鈴ちゃんは納得してくれたが、泣いていたぞ?」

「泣いてた?」




泣きたいのは俺も同じだ。

彼女がキャバクラで働いていた事実は、かなり衝撃だよ。
美鈴だけは違うと信じていた。


なのに…なのに……。






「泣いてたとしても、現実は現実だろ」


美鈴がキャバクラにいた現実は変わらない。


どうすりゃいいのかわかんねぇよ!





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