爆走姉貴ー星路の苦悩ー
つ―か!
いつタクシー運転手にすりかわったんだよ!

さっきまで店で体操してたよね!
蔵野さん?!


ここ空間歪んでんじゃねぇの?!






「では…ご希望通り発進します。三途の川の花畑まで」
「ご希望してませんからぁ!」



花畑にはまだ行けません――っ!!

蔵野さん運転のタクシーで行くなんて!

しかもホントに行けちゃいそうだからっ!




ここもダメだぁっ!





「美鈴!降りるぞ!」
「え?星路くん?!」




美鈴の手を再び握り、タクシーのドアを開いて飛び出した瞬間――!






「うああっ?!」
「星路くん?!」





何かが突然上から降ってきたぁ!

それらは俺の身体を羽交い締めにし、動きを封じる!

もがきながら顔を上げると、俺の上に乗っているのは……数人のボディビルダー?!



誰だ!こいつらはぁ!
なぜ俺を取り押さえる?!



「一体何なんだぁ?!」



「くくく……」



訳がわからずテンパる俺の目の前に、黒いブーツの足元が立ちはだかる。




「逃げきれると思ったか?あたしの街で」



あたしの?!




美月だぁっ!!
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