爆走姉貴ー星路の苦悩ー
幸いにも、タクシーの後方ドアは開かれている!

乗り込むなら今だ!

美月はキックボード。
突然止まれる訳がない!





ペースを保ちながらタクシーの脇まで走る!

ギリギリで開いたドアを掴んで停止!




「ああっ?!星路!てめぇっ!」


美月は勢いづいて止まれず、そのままキックボードごと流れて行ったぁ!



よっしゃあ――――!!
勝ったぁ―――!!






「早く!ドア閉めて!」

美鈴を車に引き入れ、運転手に叫ぶ。

「車出して!」


美月が来る前に早く!




「どちらまで行かれますか?」
「出してから言う!」
「どちらまで?」
「だから車出してって!」
「どこまで走れば…」
「だぁ――っ!話の分からない人だなっ!」



叫ぶ俺へと振り返る運転手。

目深に被っている帽子に手をかけ、ゆっくりと外す…。





「どこまでか分かりませんと、車出せないっすよ。星路さん」
「――っ?!うわぁ――っ!!」





蔵野さんが運転手だぁ―――っ!!




美月を巻いたら次が出てきた!!
美月がらみのハプニングは、切っても切っても出てくる!

金太郎飴かよっ!!
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